木もれ陽のうた



花の芯


直ぐに立つ花の芯わが喉もとにあるらし愛はシンプルに告ぐ  亜希子


われらかつて魚(うを)なりし頃かたらひし藻の蔭(かげ)に似るゆふぐれ来たる  水原紫苑

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# by komorebinouta | 2006-01-05 23:15 |

ボーイソプラノ


  怒の声のおみなことばに響きおりボーイソプラノのびやかに冴え  亜希子


 土の上に火を焚かざりし歳月の長きはおもほゆ夜の神(しん)冷えつつ  島田修三

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# by komorebinouta | 2006-01-04 23:20 |

歌を聴く


  歌を聴く歌をうたえり誰がために想いを込めて聴かすものかは  亜希子


  幾億の生命(いのち)の末に生れたる二つの心そと並びけり  白蓮

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# by komorebinouta | 2006-01-03 23:48 |

はつ夢


  夢ひろう正午まぎわの起きぬけの記憶の浅瀬をくるぶし冷えて 亜希子


  年暮れぬ春来るべしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふはつ夢  西行

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# by komorebinouta | 2006-01-02 19:34 |

弓を張るりりしさ


 弓を張るりりしさに似てはつはるの朝の無風にひかり差し込む  亜希子

 
 春ここに生(うま)るる朝の日をうけて山河草木(さんかそうもく)みな光あり  佐々木信綱

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# by komorebinouta | 2006-01-01 01:22 |

さむかろな



さむかろなひとを抱かずかはたれの路ゆき家にたどりつくとき  亜希子


竹は内部に純白の闇育て来ていま鳴れりその一つ一つの闇が  佐々木幸綱

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# by komorebinouta | 2005-12-31 01:17 |

空をゆく



 白雲に虹の映るを見下ろして空をゆくひとりかなしみほどき  亜希子


 かなしみのきわまるときしさまざまに物象顕(た)ちて寒の虹ある  坪野哲久

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# by komorebinouta | 2005-12-30 01:53 |

影の抱擁


  夜の砂のうえに浴びいる月光のまさやかに影の抱擁は見ゆ  亜希子


  身にこもる激しきものの或る夜はかたちをかへていたくやさしも  木俣 修

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# by komorebinouta | 2005-12-29 03:02 |

たちのぼる霧


  地をなでてゆるらに路にたちのぼる霧のなかつよく握り返す手  亜希子


  聴き終えて雪崩のあとのしずかさのかえるいのちをしんと抱けり  三枝浩樹

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# by komorebinouta | 2005-12-28 01:29 |

内なる万華鏡


 赦(ゆる)したら回る内なる万華鏡月のひかりの中に抱き合う  亜希子


 いつかふたりになるためのひとりやがてひとりになるためのふたり  浅井和代

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# by komorebinouta | 2005-12-24 00:00 |

降りつづく雨


  つつまれる勇気がなくて目を逸らす真夜(まよ)をかぼそく降りつづく雨  亜希子


  竹に降る雨むらぎもの心冴えてながく勇気を思いいしなり  佐々木幸綱

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# by komorebinouta | 2005-11-14 10:30 |

仏陀像


  アフガンを流出したる仏陀像めぐりに義理ある人とし見ゆる  亜希子


  緑濃き曼珠沙華の葉に屈まりてどこにも往かぬ人も旅人  伊藤一彦

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# by komorebinouta | 2005-11-09 03:35 |

小さき実


  さくらんぼと思いて獲りし小さき実にがかりしもよ死を知らずして  亜希子


  しんしんと指の先から絹と成り薬草園のきみに逢ひにゆく  水原紫苑

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# by komorebinouta | 2005-11-08 00:03 |

燃えさかる山


  人おもう列車の窓に燃えさかる秋の山見ゆ目の痛きほど  亜希子


  あたたかに夕べとなれりやはらかにわがうなじ抱け君がその手よ  馬場あき子

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# by komorebinouta | 2005-11-07 23:38 |

文(ふみ)のよう


踏めば鳴る落ち葉の森をゆく朝(あした)文(ふみ)のようなる木もれ陽を浴ぶ  亜希子


ラルースの言葉を愛す”わたくしはあらゆる風に載りて種蒔く”   篠弘

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# by komorebinouta | 2005-11-06 08:58 |

秋の想念


  山あかく化粧(けわい)す秋の想念や信濃路抜けて夕茜満つ  亜希子


  情念の端(はし)はなぐもる想い出のひとつは誰と分かちあいしや  三枝昂之

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# by komorebinouta | 2005-11-04 17:41 |

ドロップのいろ



  生きながら醜さを言うドロップのいろとりどりに目をうばわれて  亜希子


  しかけられた罠のふちゆるく回りゆく陥(おち)る甘さに魅(ひ)かれながら  斎藤

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# by komorebinouta | 2005-11-01 01:55 |

マース


  朔(さく)の夜に漕ぎ出すボート水面には今宵マースのほしあかり見ゆ  亜希子
 

  さびしくて画廊を出づる画のなかの魚・壺・山羊らみな従へて  中城ふみ子

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# by komorebinouta | 2005-10-31 23:36 |

帆を張る船

 
  沖をゆく帆を張る船を見ていしは少年のわれ風の匂えり  亜希子


   よきものは一つにて足る高々と老木の桜咲き照れる庭  窪田章一郎

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# by komorebinouta | 2005-10-30 20:56 |

落葉


  落葉(らくよう)の踏まば沈めるその嵩の鎮まりがたき想いと言わん   亜希子


  をみなへし咲く沢に生(お)ふる花かつみかつても知らぬ恋もするかも

                              中臣女郎(なかとみのいらつめ)

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# by komorebinouta | 2005-10-27 20:41 |

夜半過ぎまで


  海へ挑みし老人の瞳思いおり夜半過ぎまで打つキーボード  亜希子


  眉しろき老人(おいびと)をりて歩きけりひとよのことを終(をは)るがごとく  斎藤茂吉

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# by komorebinouta | 2005-10-26 21:01 |

音のみならず


  友の弾くグランドピアノの響けるは音のみならず人想う夜  亜希子


   赤とんぼが海へ出てゆく振り返るとんぼをさういや見たことがない  柳宣宏

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# by komorebinouta | 2005-10-25 23:40 |

木魚


  侘びながら生きる木魚も重たかろとて仏門に入りし祖父はも  亜希子


  より添える獄窓(まど)に月あり死なず済み春の静かなひと日昏れたり  島秋人
 
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# by komorebinouta | 2005-10-24 23:45 |

なお静か


  みずうみはなお静かなり樹を空を雲を映して風渡らせる  亜希子


  秋をへて時雨ふりぬる里人もかかるもみぢのをりをこそ見ね  紫式部(源氏物語)

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# by komorebinouta | 2005-10-23 23:54

木管楽器


紅葉の樹々見えぬ街冷えまさる木管楽器を抱きて眠れ  亜希子


琴の音に峯の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけん  斎宮女御

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# by komorebinouta | 2005-10-22 23:52 |

あかさ


  紅葉の一樹が想いを告げているあかさ牧草地帯はしずか  亜希子


  おく山にいまだ残れる一むらのあづさの紅葉曇に匂えり   伊藤左千夫

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# by komorebinouta | 2005-10-21 00:59 |

木の風を浴ぶ


  誰か来る気配に振り向く葉を揺らし近づいてくる風を浴びおり  亜希子


  あしひきの山の黄葉にしづくあひて散らむ山路を君が越えまく   大伴家持

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# by komorebinouta | 2005-10-20 10:41 |

柳のそよぎ


 決めかねててのひらを見るしばらくは柳のゆるくそよぎたるまま 亜希子


 松脂のにほひのごとく新しくなげく心に秋はきたりぬ 北原白秋

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# by komorebinouta | 2005-10-19 01:41 |

器官を起こす


眠りいし器官を起こす呪文あらばやすやす越ゆる峠もあらん 亜希子


いかばかりあはれなるらむゆふまぐれただ一人ゆく旅のなかぞら 西行

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# by komorebinouta | 2005-10-17 00:35 |

六甲の風


  六甲を風撫でゆけりとれたての林檎のはだえをつつむあかるさ    亜希子
               

  もみぢばの流れてとまるみなとには紅深き波やたつらむ   素性法師

  
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# by komorebinouta | 2005-10-14 23:55 |


歌人 吉田亜希子の短歌ブログです。 一日一首、自作と心惹かれる歌を掲載しています。短歌結社「まひる野」所属(平成2年より)。
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